2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

三車火宅の譬え

四座講式には「火宅」という言葉がよく登場します。これは『法華経』の中でも一、二を争う有名な逸話「三車火宅の喩え」に由来します。私『法華経』には暗いもので難しい事はわかりませんが、この喩えは大好きです。 【火宅】(かたく) 煩悩と苦しみに満ち…

涅槃講式 初段 その一

≪ 原 文 ≫ 第一に入滅の哀傷(あいしょう)を顕すといっぱ、凡そ如来一代八十箇年、迦韋(かい)誕生 伽耶(がや)成道 鷲峰(じゅぶう)説法 双林入滅、皆大慈大悲より起り、悉く善巧(ぜんぎょう)方便より出でたり。 歓戚(かんしゃく)の化儀、区(まち…

四座講式と常楽会の組み立て

さて、涅槃講式表白段をアップしましたが、「伽陀」とか表白段とかそもそも「四座」とは何か?について説明します。この際、四座講式をお唱えする法会「常楽会」(涅槃会ともいう)の次第(プログラム)を紹介します。尚、この次第はおそらく日本で唯一四座…

涅槃講式 表白

≪ 原 文 ≫ (伽陀) 拘尸那城跋提河 在娑羅林双樹下 頭北面西右脇臥 弐月十五夜半滅 南無大恩教主釈迦牟尼如来生々世々値遇頂戴 敬って大恩教主釈迦牟尼如来、涅槃遺教八万聖教、娑羅林中五十二類 一々微塵毛端刹海 不可説不可説(ふかせっぷかせっ)の三宝…

「四座講式」現代語訳と解釈に際して

今回四座講式を現代語訳し解釈するにあたって、底本として大栗道栄師編の「四座講式」を用います。また大正新脩大蔵経テキストデータベースの「四座講式」を参考にします。 大栗師の『四座講式物語』を参考にしますが、師の訳はなるべく平易にわかりやすくつ…

四座講式と明恵上人

四座講式とは鎌倉時代初め京都栂尾高山寺の明恵上人によって造られたお釈迦様の一代記です。 この講式に独特の節をつけて(声明)お唱えするのですが、これは謡曲・浄瑠璃・長唄の元になったものとされるほど優美な音動を持ちます。明恵上人は承安3年(1173…

開白

日々思うことや感じたことを備忘録として残していきたいと思います。とりあえずは現在少しずつ進行している四座講式の現代語訳と解釈をアップしていけたら…と考えています。