2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

涅槃講式 第二段 その二

「涅槃講式 第二段 その一」http://d.hatena.ne.jp/kuzanbou/20110412/1302616164≪ 原 文 ≫ 時に大迦葉(だいかしょう)、荼毘の所に至るに、聖棺自然(じねん)に開(ひら)けて、千帳(せんちょう)の白氎(びゃっじょう)及び兜羅綿(とらめん)、皆解散…

備後尾道記

松山からしまなみ海道を通って尾道へ行きました。しまなみは5年ほど前に一度通ったことがありましたが、尾道は初めてです。 国宝・浄土寺多宝塔です。鎌倉時代の嘉暦三年(1328)建立の多宝塔で日本屈指の名塔です。 日本の国宝指定されている多宝塔は実に…

涅槃講式 第二段 その一

≪ 原 文 ≫ 第二に荼毘の哀傷を挙ぐといっぱ、青蓮咲(えみ)を止(や)め、菓唇息絶えし時、白氎(びゃっじょう)に纏絡(でんらく)し、金棺に収斂す。 一切の大衆(だいしゅ)、聖棺を挙げて、城(じょう)の内に入らんとするに、十六の極大力士(りきじ)…

松田真平氏「野中寺弥勒菩薩像の銘文読解と制作年についての考証」 後編

前篇では研究史を扱いましたが、今回は本題の松田氏の論文です。 前篇http://d.hatena.ne.jp/kuzanbou/20110402/1301747017松田真平氏「野中寺弥勒菩薩像の銘文読解と制作年についての考証」(『佛教藝術』313号 2010年11月)佛教藝術 313号作者: …

涅槃講式 表白・初段 校勘記

本日は四月八日。仏生会、俗に言う花まつりです。 このように大変な世相ではありますが、仏教徒としてお釈迦様の誕生を寿ぎたいと思います。 誰れか歓喜の咲(えみ)を藍園の誕生に含み、痛惜の涙を双林の入滅に流さんや。 これは涅槃講式表白段の一節です。…

涅槃講式 初段 その四

「涅槃講式 初段 その一」http://d.hatena.ne.jp/kuzanbou/20110330/1301491947 「涅槃講式 初段 そのニ」http://d.hatena.ne.jp/kuzanbou/20110401/1301660527 「涅槃講式 初段 その三」http://d.hatena.ne.jp/kuzanbou/20110403/1301806825≪ 原 文 ≫ 青蓮…

豫州松山記

この春の佳き時節に伊予は松山に旅行に行ってまいりました。 春や昔 十五万石の 城下哉 子規 この句の通り伊予松山久松松平家、十五万石の城下町です。 早朝の湯築城址から松山城を望む 湯築城はかつて伊予を治めた河野氏の本拠だった所です。その治世は平安…

涅槃講式 初段 その三

「涅槃講式 初段 その一」http://d.hatena.ne.jp/kuzanbou/20110330/1301491947 「涅槃講式 初段 そのニ」http://d.hatena.ne.jp/kuzanbou/20110401/1301660527≪ 原 文 ≫ 漸く中夜に属(しょく)して、涅槃時到れり。満月の容(こおばせ)に哀恋の色を含み、…

松田真平氏「野中寺弥勒菩薩像の銘文読解と制作年についての考証」 前篇

今回紹介したい論文は松田真平氏「野中寺弥勒菩薩像の銘文読解と制作年についての考証」(『佛教藝術』313号 2010年11月)です。 佛教藝術 313号作者: 佛教藝術學會出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2010/12/01メディア: 単行本 クリック: 8回こ…

涅槃講式 初段 その二

「涅槃講式 初段 その一」http://d.hatena.ne.jp/kuzanbou/20110330/1301491947 「涅槃講式 初段 そのニ」http://d.hatena.ne.jp/kuzanbou/20110401/1301660527≪ 原 文 ≫ 遂に則ち、力士生地娑羅林の間にして、面門の光を二月十五の朝(あした)に放って、最…